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2022/04/22

再エネ設備の導入・管理 適正立地へ議論

急速に普及が進む再生可能エネルギー設備の適正な管理・導入に向けて、経済産業省と農林水産省、国土交通省、環境省が4月21日に有識者検討会を初開催した。特に設置件数の多い小出力の太陽光発電設備を中心に、土砂災害警戒区域での設置や風水害に伴う破損・飛散への懸念が地域から寄せられていることを受けて、再エネ特措法など事業実施に関わる制度の中で立地状況を加味した対応を検討していく。
 再エネ由来の電力量は、固定価格買取制度が始まった2012年以降の7年間で3・4倍に拡大した。
 一方で、21年度には柵塀を設置しないなど不適切な設備管理に対する指導が1052件、設備の不備や災害による破損といった事故が459件発生。地域住民から国に、これまで850件の相談が寄せられるなど、地域トラブルも顕在化している。
 検討会では、経産省が再エネ事業に関係する環境アセス法や電気事業法、再エネ特措法、森林法、農地法、宅地造成法などの整合に関する議論を提起。土地造成や電気設備の安全確保、環境の保全といった観点から相互に連携した運用を検討していく。
 災害警戒区域や重要インフラの付近での発電設備の設置に関する規制を課題とする意見も出た。
 再エネ事業の開始に先立って地域での適切な合意形成を促す仕組みづくりや、事業中の違反事例の早期把握・改善を可能とする制度整備もテーマとなった。
 急速に整備された太陽光パネルの廃棄が35年ごろにピークを迎えるとの予測を受けて、リサイクル・リユースを含めた対応も検討していく。
 この他、固定価格買取制度や、売電価格に一定の補助を上乗せするFIP制度以外の再エネ事業に対しても、適正な導入・管理を促す施策を考える。
 萩生田光一経産相は検討会の設置に当たり「スピード感を持った対策の具体化」を指示している。

提供:建通新聞社