中小企業庁は、2022年版中小企業・小規模企業白書の案をまとめた。2年におよぶコロナ禍から来る資金難に加えて、原材料の高騰と根強い人材不足が大きな課題になっていると分析。こうした状況も踏まえながら、中堅への成長を目指す中小企業と、地域を持続的に支える中小・小規模事業者に焦点を当て、必要な支援施策を検討していく。
白書案によると、中小・小規模事業者の資金繰りは20年度以降いずれも大きく悪化。建設業でも、19年度当初時点で月商の2倍以下だった借入金が、21年度第3四半期には3・1倍にまで上昇。コロナ禍の影響を受けた企業を対象とした持続化給付金の給付先では建設業が全業種で最も大きな割合を占めた。
人手不足も依然として深刻だ。従業員が「過剰」な企業の割合から「不足」企業の割合を引いたDI値(22年度第1四半期時点)を見ると、建設業はマイナス20ポイント以下で全業種最低水準だった。
これらに加え、建設向け主要鋼材や木材も上昇傾向にある。
中企庁はこうした状況も踏まえ、成長志向の中小企業に対しては人的投資拡大やブランド確立の支援制度を検討。地域を支える中小・小規模事業者については企業活動を継続する上での課題をさらに調査していく。
提供:建通新聞社