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2022/03/29

エネルギー消費 官庁施設で基準引上げ

 国土交通省は、官庁施設整備の技術基準を改定し、新築施設の1次エネルギー消費性能規定を「ZEB Oriented」相当以上に引き上げる。現行より40%程度高い性能水準となる。4月1日以降に発注する設計業務などで適用し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを後押しする。
 これまで、官庁施設を新築する際に求めていた1次エネルギー消費性能は、施設規模に応じて、義務基準となる「省エネ基準」(BEI=1・0以下)より、10%程度高い水準(0・9以下)を満足することと誘導してきた。これをさらに30%程度引き上げ「ZEB Oriented」相当以上(0・6以下)とするよう規定を改める=図参照。
 官庁施設のエネルギー消費性能は、「官庁施設の環境保全性基準」の中で、各府省庁が共通して使用する統一基準を位置付けている。
 改定に併せて、「公共建築物(庁舎)におけるZEB事例集」も作成。計画中を含めZEB化した公共建築物を5施設抽出し、それぞれの施設概要や環境負荷低減技術の採用方針、採用技術の詳細を国交省のホームページ(https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk8_000005.html)で紹介。各府省庁だけでなく、地方自治体でも参考にできる内容としてまとめた。
 5施設の概要は次の通り。
 ▽福島県須賀川土木事務所庁舎(福島県)―鉄筋コンクリート造平屋、木造2階建て、延べ約660平方b
 ▽高島市役所庁舎(滋賀県)―新館・鉄骨造3階建て延べ約4300平方b、本館・鉄筋コンクリート造地下2階地上4階建て延べ約5390平方b
 ▽開成町新庁舎(神奈川県)―鉄筋コンクリート造3階建て延べ約3890平方b
 ▽美幌町役場新庁舎(北海道)―鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ約4760平方b
 ▽大阪第6地方合同庁舎・仮称(大阪
府)―鉄筋コンクリート造地下1階地上14階建て延べ約4万8790平方b

■解説 ZEBとは
 ZEBは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングの略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の1次エネルギー収支ゼロを目指す建物。エネルギー収支に応じて、「ZEB」(収支ゼロ)/「Nearly ZEB」(75%削減)/「ZEB Ready」(50%削減)/「ZEB Oriented」(40%削減)の4段階が定義されている。

提供:建通新聞社