トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2022/03/28

ICT施工の技術者育成 優遇措置も

 国土交通省は、ICT施工に精通した技術者の育成体制を整える。3月25日に開いた「ICT普及促進ワーキング」の第4回会合で、技術者育成のイメージを初めて提示。認定講習の創設や認定者に対するインセンティブの付与も視野に入れる。2022年度以降、地方自治体や民間企業の意見を聞きながら、具体化に向けた議論を進める。
 技術者育成のイメージでは、ICT施工技術者を上級・中級・下級の三つのレベルに分類。各レベルに求める知識・技能を大まかに示した。
 上級レベルは、▽建設現場の生産性向上を実現する人材▽ICT施工の普及を担う指導者▽高度な知識を有し先鋭的な技術を建設現場に導入する人材―を想定。具体的には、地方整備局のICTアドバイザーや@―Construction大賞受賞企業の現場代理人、ICT活用工事の優秀現場代理人相当の知識・技能を有する技術者をイメージする。
 中級レベルは、ICT施工の知見と現場経験を併せ持ったり、自ら3次元設計データを作成するなど、デジタルデータの取り扱いができる人材。
 初級は、ICT施工の基礎知識を習得しているレベルとなる。
 中小の建設企業は、技術力や人手が足りず、自らICT施工を行える技術者を育成することが困難な現状がある。そこで国交省は、地方整備局や民間企業がそれぞれ実施している研修・講習を体系化する形で、技術者の教育体制を整え、ICT施工のさらなる普及・促進につなげる。
 具体化に向けては、民間企業で実施している人材育成プログラムの活用も検討。講習などを通して、単にICT施工を実施できるだけではなく、工事全体のマネジメントを行い、建設現場の生産性向上を実現できる技術者を育てる。
 講習に参加する意義を高めるため、受講者へのインセンティブの付与なども検討するとしている。

提供:建通新聞社