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2022/03/11

新下請指導ガイドライン 月内に通知

 国土交通省は、一人親方対策を強化するための『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』の改訂案をまとめた。経験年数の少ない技能者の目安などを示し、雇用関係に誘導するよう明記した。新たなガイドラインは3月中に建設業団体に通知した上で、4月1日に施行する。
 改訂案を「建設業の一人親方問題に関する検討会」に諮り、了承を得た。新ガイドラインでは、社会保険加入を逃れるため、実態が雇用労働者であるにもかかわらず、技能者を一人親方として偽装している下請けに対し、雇用関係に誘導し、雇用契約を結ぶよう、元請けに指導を求める。
 具体的には、一人親方が10代や、経験年数3年未満の場合、技能者の処遇改善や技能向上の観点から、雇用関係に誘導するよう明記。こうした指導に応じない場合、偽装した一人親方を抱える下請けの現場入場を禁止する。
 また、一人親方の働き方を確認する「働き方自己診断チェックリスト」の活用もガイドラインに新たに位置付けた。資機材の負担や就業時間の拘束状況などから、一人親方として適正かどうかを確認できる。診断の結果、雇用労働者に当てはまる場合、下請けに雇用契約の締結と社会保険の加入を促してもらう。
 国交省では今後、新ガイドラインの運用状況を踏まえつつ、10代や経験年数3年未満以外の「適正でない一人親方の目安」の検討も進める。23年度末をめどに一定の道筋を示し、26年度以降の運用を目指す。働き方自己診断チェックリスト活用による事務負担の軽減や技能者の処遇改善につなげる。
 建設業では、企業・個人単位の社会保険加入が進む一方、法定福利費の支払いを逃れるための一人親方の偽装が増えているとされる。新ガイドラインで現場指導をさらに強める。

提供:建通新聞社