国土交通省は、低入札価格調査基準の「中央公契連モデル」改正を踏まえ、低入札価格調査基準と最低制限価格を見直し、ダンピング対策を強化するよう、地方自治体に要請した。中央公契連モデルを採用している自治体も多く、基準見直しがダンピング対策の強化につながることから、入札契約適正化法に基づく通知として、3月9日に総務省と連名で全自治体に送った。
通知ではこの他、低入札価格調査制度と最低制限価格制度を導入していない地方自治体に対して、早急に制度導入を検討するよう要請。調査基準価格や最低制限価格が中央公契連モデルよりも低い水準にある団体には、算定水準を適切に見直すことを求めた。
さらに、両価格を事前公表としている団体に対しては、建設企業の技術力・経営力による適正な競争を損ねることになるため、速やかに事後公表に切り替えるよう促した。
ダンピング対策の実効性を確保するため、調査基準価格を下回る入札を失格とする「失格基準」の積極的な活用も求めた。失格基準を調査基準価格に近づけ、適正な施工に懸念のある建設業者を排除すべきともした。
今回、測量と地質調査の低入札価格調査基準の見直しはなかったが、調査・設計分野でもダンピング対策を強化するよう要請している。
中央公契連モデルは、賃上げなどの最近の動向を踏まえ、国交省が低入札価格調査基準の計算式を改定したことを受けて改正した。役員報酬や従業員の給料などが含まれる一般管理費等の算入率を現行の55%から68%に引き上げている。
提供:建通新聞社