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中央ニュース

2022/03/03

さらなる賃上げへ 個別の発注者にも注意喚起

 国土交通省は、元請け・下請け業者間の見積もり・契約の実態を把握するモニタリング調査について、2022年度から通年で実施することを決めた。併せて、調査結果を踏まえ、個別の発注者(地方自治体、民間発注者)にも注意喚起し、適正価格での発注や適正な工期設定を促していく。建設業従事者のさらなる賃金上昇に向けた環境整備の一環となる。
 モニタリング調査は、元下間の見積もりや契約、工期の設定状況を深掘りして調べるため、国交省が21年度建設業取引適正化推進期間(10〜12月)の重点取り組みとして始めた。これを通年とし、さらに個別の発注者に注意喚起していくことで、下請けへのしわ寄せやダンピング受注を未然に防ぐ。建設業従事者の賃上げにもつなげていく狙いがある。
 2月28日に開かれた国交省と主要建設業団体との意見交換では、22年に「おおむね3%」の賃金上昇を目指すことを官民で申し合わせた。
 団体側では「さらなる賃上げにつながる好循環を堅持することは絶対に必要」とする一方、「中小企業にとって相当厳しい目標」という声も上がった。
 建設会社が賃上げの原資を確保するためには、受注工事での請負価格や工期の一層の適正化が不可欠になる。
 公共工事では、直轄工事で、総合評価や成績評定を加減点する各種モデル工事などの取り組みにより、適正価格・工期の浸透を促してきた。一方、地方自治体や、特に民間工事では、技能者の処遇改善、担い手確保に向けた適正な請負代金の設定や支払い条件の改善、適正な工期確保に対する発注者側の理解などが課題となっている。

提供:建通新聞社