建設経済研究所と経済調査会は1月26日、2021年度の建設投資(名目値)を前回の11月推計から3000億円上方修正し、前年度比3・2%増となる62兆8200億円とする見通しをまとめた。事務所ビルなど民間非住宅の堅調な建設投資を背景に上方修正した。22年度の見通しは、21年度補正が20年度3次補正より少し減少したことを踏まえ、500億円下方修正し62兆9900億円(前年度比0・3%増)とした。
21年度の政府建設投資の推計は、前回推計から変更なく、前年度比2・0%増の24兆4400億円。19年度の補正予算や20年度の第3次補正予算の一部が21年度に出来高として実現すると想定。このうち建築補修(改装・改修)は2・1%増の1兆4600億円になると予測した。
一方、21年度の民間建設投資は、国内外の経済活動の持ち直しにより増加すると予測。中でも民間非住宅投資は、「業種でばらつきがあるものの、事務所ビルの大型案件に回復の動きが広がっている」とし、前回推計より2000億円上方修正し、5・2%増の16兆8000億円になると見通した。
民間住宅投資は、コロナ禍からの回復や税制改正で、前回推計より1000億円増える見通しに修正。2・5%増の15兆5000億円とした。
住宅着工戸数の内訳は、持ち家が8・7%増の28万6000戸、貸家が6・6%増の32万3000戸、分譲住宅が2・5%増の24万5000戸と予測する。
民間建築補修投資は3・8%増の6兆0800億円と見通した。
22年度の建設投資については、補正予算の減少などで政府建設投資が微減となるものの、堅調な民間非住宅投資に支えられ、全体としては21年度と同水準を維持すると予測。民間非住宅投資は、原油高やサプライチェーンの混乱の影響が懸念されるが、引き続き堅調に推移するとし、3・9%増の17兆4500億円を見込む。
提供:建通新聞社