国土交通省は、元請け建設業団体の会員企業を対象とした建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録状況を集計した。2021年12月末現在、事業者登録率を階層別にみると、元請け完工高10億〜300億円未満で64%、10億円未満で36%と、8月末からそれぞれ15ポイント近く伸びた。300億円以上も含む全階層の完工高の合計は28・5兆円で、うち登録事業者が22・3兆円と全体の78・2%を占めた。これにより元請け団体の会員企業では、建設市場規模の約8割を担う事業者が事業者登録を完了したことになる。
1月25日に開かれた国交省、建設業振興基金、建設業団体などでつくるCCUS運営協議会の運営委員会で報告した。
集計によると、元請け完工高300億円以上では登録率が98%と、昨年8月末からほぼ横ばいで推移。企業数97社中89社が登録を終え、完工高は同階層の全15・6兆円のうち登録事業者で15・1兆円を占めた。
元請け完工高10億〜300億円未満では、企業数2687社のうち1505社が登録。登録率は64%と、8月末の50%から14ポイント増えた。登録事業者の完工高は全9・2兆円のうち5・9兆円となった。
元請け完工高10億円未満では1万5316社中4067社が登録。登録率は8月末の22%から14ポイント伸び36%となった。登録事業者の完工高は全3・7兆円のうち1・3兆円を占めた。
運営委員会で国交省は、元請け完工高が小さな階層でも事業者登録が進んできた現状を踏まえ、CCUSの現場利用の促進に一層力を入れる必要があるとの考えを示した。
CCUSについては19年4月に本格運用を開始。大手・中堅ゼネコンから登録が進み、事業者登録数は15万社を超えた。技能者は79万人が登録済みで、21年度中に90万人に迫るペースで増加している。
一方で、登録技能者79万人のうち、修業履歴があるのは22万人で、全体の3割に満たない現状もある。
さらなる普及に向けて、顔認証によるデータ蓄積、週休2日モデル工事での蓄積データ活用などの取り組みを広げ、CCUSの使い勝手をさらに良くし、現場利用を促進していくことが求められる。
提供:建通新聞社