国土交通省は、「土砂・洪水氾濫により大きな被害のおそれのある流域の調査要領案」をまとめた。過去に土砂・洪水氾濫の記録がない流域でも地形的特徴などを踏まえ、大きな被害の恐れのある流域を抽出する必要があるとし、対策を実施する際の検討のイメージなどを示した。今後、都道府県で試行し、調査で得られた課題を踏まえ、さらに内容を充実していく。
調査要領案は、都道府県での土砂・洪水氾濫対策の検討の流れをイメージし作成した。イメージによると、過去に土砂・洪水氾濫の記録がない流域についても、近年、氾濫が発生した流域と同様の地形的特徴を有する流域であれば、「大きな被害のおそれのある流域」として優先的に抽出。河床変動計算による被害想定、施設効果評価を行った上で、砂防堰堤などの事業化につなげていく。
近年、地球温暖化に伴う気候変動の影響により土砂・洪水氾濫が頻発化し、都道府県でも氾濫対策のニーズが高まっている。過去に土砂・洪水氾濫が発生した流域、特に確度の高い流域では砂防堰堤などの整備が進む一方、過去に氾濫の発生の記録がない流域では、対策を実施する際の優先事業予定箇所の選定の目安など検討のイメージが示されていなかった。
調査要領案は1月6日に開いた有識者による「気候変動を踏まえた砂防技術検討会」の第4回会合に提示し、試行版として了承を得た。
提供:建通新聞社