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中央ニュース

2022/01/11

維持工事の週休2日 災害復旧で交替制拡大

 国土交通省は、維持管理工事での週休2日を促していくため、「原則、現場閉所(週2日)を基本とし、やむを得ない場合に交代制とすべき」とする考え方をまとめた。災害復旧や完成時期などに制約のある工事についても、「週休2日交替制モデル工事」の活用などにより、交代制による週休2日の取り組みを促していく。「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の維持管理部会に論点として示し、議論をスタート。業界の意見も参考にしながら、週休2日の実現に効果的な取り組みを探っていく。
 懇談会では、維持管理工事での週休2日の採用について、工事の特性なども踏まえ、「現場閉所」か「交替制」のどちらに適しているかを工種別に分類。
 道路維持の巡視・巡回と除雪工は「交替制」に、応急処理工や災害復旧といった工期などに制約がある工事は「現場閉所か交替制を選択する」とした。それ以外は原則として「現場閉所」の方向としている=表。
 原則現場閉所の対象としない、巡視・巡回と除雪工については、「週休2日交代制モデル工事」を活用して、技術者の休日日数での週休2日を促す。2022年度から全ての対象案件(巡視・巡回、除雪工)を、発注者指定の交替制モデル工事とする。
 災害復旧や完成時期などに制約のある応急処理工などについても、週休2日交替制モデル工事を活用する。23年度から、これらの工事でもモデル工事を拡大していく。現場閉所が難しい場合でも、交代制による週休2日の実現を促す。
 週休2日交替制モデル工事は、維持管理工事などを対象に、現場閉所による週休2日ではなく、技術者の休日日数で週休2日に取り組むもの。19年度にスタートし、21年度からは新たに現場管理費の補正係数も設定し、さらなる浸透を図っている。
 20年度はモデル工事(受注者希望型)として423件を公告し、うち243件(57・4%)で実施。実施した案件は全て通年維持工事となっており、災害復旧や完成時期などに制約のある工事での実績はなかった。
 建設業では、24年4月から労働基準法に基づく罰則付き時間外労働上限規制の適用が始まる。現状では建設業の約4割が週休1日となっており、週休2日への移行を加速させる必要がある。
 日本建設業連合会の九州支部会員へのアンケート調査の結果によると、回答者の3割近く(29%)が「閉所が困難な工事では交替制が現実的」と回答。一方で2割近く(19%)が「確実に週休2日とするには閉所が有効」と答えており、現場閉所と交替制の両方にニーズがあるという。

提供:建通新聞社