厚生労働省は12月22日、労働政策審議会安全衛生分科会を開き、建設アスベスト訴訟の最高裁判決を踏まえた安全衛生法の省令改正について意見を交わした。雇用関係にない一人親方らに対して、事業者が危険場所への立入禁止などを順守させるには限界があるとし、現場への掲示で立入禁止の措置義務を果たすことを明確にするとした。
建設アスベストの最高裁判決で、安全衛生法の健康障害の防止、危険・有害作業の保護対象に一人親方を追加するよう求めたことを受け、同法の省令を改正する
具体的には、▽汚染された場所などの危険のある場所への立入禁止▽喫煙禁止などの特定行為の禁止▽事故発生時の退避▽入退室管理▽加圧・減圧の管理―などは、請負人である個人事業者も措置対象に追加する。
このうち、立入禁止措置については、元請けや上位下請けと個人事業者が雇用関係になく、直接的に禁止行為を実施したり、順守を担保するには限界があるとした。そこで、措置の対象には追加するものの、事業者が現場に立入禁止であることを掲示すれば、措置義務を果たしことにする。
一方、保護具の使用や危険防止のための作業方法の順守については、それらの必要性を周知する義務を省令に新たに規定する。ただ、事業者が結果責任まで追求されないことを通達で明らかにするとした。
提供:建通新聞社