政府の経済対策の財源となる2021年度補正予算が、12月20日の参院本会議で可決、成立した。歳出総額は、補正予算として過去最大の35兆9895億円で、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や「新しい資本主義」の起動、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化などに予算を配分。公共事業費には2兆0019億円を計上しており、補正予算として2年連続で2兆円台の公共事業費を確保した。
21年度補正予算のうち、経済対策関連の経費には、▽新型コロナウイルス感染の拡大防止=18兆6059億円▽「ウィズコロナ」下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え=1兆7687億円▽未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動=8兆2532億円▽防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保=2兆9349億円―の総額31兆5627億円を計上している。
公共事業費(2兆0019億円)は、過去10年の補正予算で比べると、20年度第3次補正予算、12年度補正予算に次ぐ3番目の規模。省庁別の予算規模は、国土交通省の1兆6369億円(国交省所管計上分)が最大で、農水省の2940億円(同)、環境省の528億円、内閣府の139億円、厚労省の29億円、経産省の13億円の順となる。
政府は、24日にも閣議決定する22年度当初予算案と、21年度補正予算を「16カ月予算」として切れ目なく執行する。補正予算に初めて複数年国債を設定し、大型事業への予算計上を可能にした「事業加速円滑化国債」については、年内に対象工事の入札公告などの手続きに入る見込みだ。
提供:建通新聞社