国土交通省がまとめた「直轄工事等契約関係資料」によると、2020年度に契約した直轄工事の契約金額は、国土強靱(きょうじん)化の関連予算の増額を受け、前年度比15・4%増の2兆3920億円と06年度以降で2番目に高い水準となった。平均落札率は5年ぶりに低下した。全体の契約件数が増加した中で、不調件数は前年度より減少。低入札調査の発生率とともに、ここ数年は低水準で推移している。
契約金額を部局別にみると、▽地方整備局(港湾・空港関係除く)=1兆8026億円▽同(港湾・空港関係)=1991億円▽北海道開発局=3550億円▽航空局・地方航空局・地方運輸局など=353億円―となり、「航空局・地方航空局・地方運輸局など」以外いずれも前年度より上昇した。
地方整備局(港湾・空港関係除く)の契約金額は、関東地整の4630億円が最も高く、中部地整の3236億円、九州地整の2756億円、東北地整の2492億円が続いた。契約金額が最も低かったのは四国地整の1164億円だった。
平均落札率は93・02%と前年度比で0・04ポイント低下したが、ここ数年は90%以上で推移している=表参照。
総合評価落札方式は、全ての競争入札の95・1%に当たる1万0182件で採用した。
入札不調の発生件数(入札不調後に再発注手続きを行い、20年度中に契約締結した工事)は454件で、前年度実績を32・9%下回った。全ての競争入札に対する入札不調の割合は4・2%だった。
低入札価格調査の発生率は1・2%で前年度比0・2ポイント増となっている。
「業務の契約額は過去最高に」
一方、建設コンサルタント関係業務の契約金額は13・2%増の4910億円と、06年度以降の最高額を更新した。工事と同様に国土強靱化関連の業務が増え、全体増につながった形だ。契約件数は2・0%増の1万5667件と増加。平均落札率は84・83%と前年度より0・12ポイント上回った。入札不調件数は157件で前年度より50件減少した。
提供:建通新聞社