2021/12/18
全国中小建設業協会・ブロック別意見交換会(3)近畿
国土交通省と全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)の近畿ブロック意見交換会が11月11日に大阪市内で開かれ、ダンピング対策を徹底する入札契約制度の改革や働き方改革などが話題に挙がった。全中建の土志田会長はダンピング受注の排除に向け、「適正な価格で落札できる制度をつくってほしい」と発注者側にも協力を求めた他、週休2日の導入や適正な工期設定などについて地方自治体へのさらなる指導、徹底を要望した。国交省不動産・建設経済局建設業課の児玉和久入札制度企画指導室長は「発注者としてもダンピングを発生させないための制度をしっかり整備していくことが重要。できるだけ生の声を聞いて、より良い建設行政、入札制度改革につなげたい」と答えた。
今回の意見交換で、協会は@働き方改革A入札契約制度B地域の入札制度C積算基準D建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入E工事費の積算―の6点について要望。大阪府中小建設業協会の三原金一会長は「解決が難しい課題を抱えている数多くの府内の中小建設業者のために、指導いただきたい」と呼び掛けた。
働き方改革について協会は「改革を進めるほど労働者の負担が増し、(限られた時間で仕事をこなすための)人材の確保が必要になる」と実情を述べ、「労働賃金や諸経費率などの見直し」を要望。国交省は、9年連続で労務単価が引き上げられている点を示しながら、諸経費率を含め「引き続き現場の実態を把握して調査、対応する」と答えた。また、「賃金を含めた技能労働者の処遇改善を実現すると考えているCCUSの推進にも取り組む」と話した。
地域の入札制度については、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、公共工事の入札で競争が激化している点を挙げ、「上限・下限額が事前公表となっている市では全てくじ引きで落札者を決めているケースが見られる」ことを問題視。国交省は、予定価格などの事前公表を事後公表に見直することで「適正な競争性を担保したい」と回答し、「引き続き、総務省とも連携し、事後公表に見直すための要請を進めたい」と話した。