2021/12/12
全国中小建設業協会・ブロック別意見交換会(2)関東(東京)
全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は10月12日、関東ブロック(東京地区)での国土交通省との意見交換会を開いた。業界側からは、週休2日制の実施に向けた必要経費の補正係数の引き上げや工事関係書類の削減、ダンピング対策などについて活発に意見が出た。
東京都中小建設業協会(都中建、山口巖会長)、全中建南多摩(若林克典会長)、町田市建設業協会(町建協、土屋蕃会長)が参加した。
土志田会長はあいさつの中で、働き方改革でのダンピン対策の重要性を強調。最低制限価格を「予定価格の95%に引き上げるべき。5%は企業努力で何とかなるが、10%では何ともならない」と訴えた。
山口会長は、時間外労働の上限規制への対応に関して「企業努力だけでは限界がある。制度的な支援を求めたい」と述べた。若林会長も「中小が対応できる体制をつくる必要がある」とした。土屋会長は、コロナ禍の税収減に伴う公共事業の削減を懸念、「災害に対応する強い建設業にしなければならない」と強調した。
都中建は働き方改革の会員アンケートで、時間外労働の上限規制を知っていた会員のうち61%が「週休2日は実現できない」と回答したことを紹介。全中建南多摩とともに、週休2日工事の労務費などの補正係数について、現在の1・04〜1・06から1・2への引き上げを求めた。
また書類の削減について全中建南多摩が、対応が遅れている自治体への指導を要望した。
町建協は、適正な工期と設計図書の必要を指摘。また、業者の見積もりと発注者の設計価格に大幅なかい離があるケースを問題とした。
ダンピング対策では都中建と全中建南多摩が、都内自治体の最低制限価格の算定式について、最新の中央公契連モデルを採用しているのは都と府中市など3区市でしかなく、5〜15%の価格差が生じていると問題視。改善の指導を求めた。
さらに、週休2日工事を、補正係数を適用しないまま積算する自治体を問題に挙げた。
国交省側からは不動産・建設経済局建設業課の児玉和久入札制度企画指導室長が、週休2日工事の補正係数について、「毎年の労務費調査などで実態を把握し反映していく」と話した。ダンピング対策については、発注機関の対応状況を見える化し、改善を働き掛ける方針を述べた。
また、関東地方整備局企画部の青山貞雄技術調整管理官が工期設定に関して、着工前に受注者と設計審査会を開催していることを説明。「受発注者が認識を合わすことが大切」だとした。さらに、発注者協議会などの場で、施工の平準化やダンピング対策を自治体に働き掛けていく方針を話した。