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2021/12/08

利用契約4578者に 建退共の電子申請

 勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)によると、3月から本格的実施をスタートした掛金納付の電子申請方式で、利用契約者が10月31日現在、4578者に上っている。また、同日までに実際に電子申請で掛金拠出を行った契約者は299者で、掛金充当日数は累計で21万5981日分になった。電子申請による掛金充当は、現状では全体の1%程度だが、利用者からは、「証紙の購入や貼付などの手間がなくなり、業務が簡素化した」と評価する声が上がっている。
 共済契約者は現在、全国で約17万者いるため、10月末時点の電子申請の利用契約者(4578者)は全体の約2・7%の状況。建退共では、11月に入って3%を越えたとしている。10月末時点の都道府県別の契約者で最も多いのは北海道の319者。東京都が285者、沖縄県が211者、千葉県が208者で次いでいる。30府県が100者未満で、地域によってばらつきが大きい。
 電子申請による実際の退職金ポイントの充当は、10月は6万9059日分だった。4月と比べ約18倍に増加したが、証紙貼付方式と合わせた全体からみると約0・5%の状況。建退共では、11月は全体の約1%になったとみている。
 電子申請を取り扱う金融機関で、インターネットバンキングのペイジーで掛金(退職金ポイント)の払い込みに対応するのは10月31日現在、ゆうちょ銀行を含め367機関。13機関ではATMも利用できる。さらに、信用組合を中心に90機関では口座振替を使える。都市銀行ではみずほ銀行が口座振替に対応している。
 電子申請の利用者からは、証紙の管理や貼付に要していた業務の省力化のほか、「システムの利用は思っていたより簡単」「退職金ポイントが直接作業員に充当される」と評価する声が出ている。一方、官公庁の発注者への周知を課題とする意見もある。
 電子申請について建退共では今後、元請けの協力を得ながら下請けへの普及を推進する。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)と連携して利便性をさらに向上させ普及につなげる。ホームページに説明動画を掲載している他、説明会や研修会への職員の派遣なども積極的に行っていく方針だ。

提供:建通新聞社