国土交通省は、「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン(素案)」を作成し、シールドトンネル施工技術検討会(11月30日開催)に提示した。検討会での有識者からの意見なども反映させ、今後ガイドラインをまとめる。策定後は各学協会や事業者が定めているシールドトンネルの設計・施工などの基準類への反映を促していく。
素案では、シールド工事でのリスク想定の考え方をはじめ、調査から設計、施工までの各段階の技術的知見、周辺環境への配慮を踏まえた留意事項をまとめた。
リスク想定については、現場条件を十分把握した上で、施工で生じる恐れのあるリスクを体系的に整理し、設計で配慮することとした。施工に当たって周辺環境に影響を及ぼす可能性のある重大なトラブルが発生した場合は、直ちにシールドマシンを停止し応急対策を実施。必要に応じて有識者への相談、追加調査による原因究明を行い、対策を講じることを明記した。
シールド工事をめぐっては、2020年度に東京外かく環状道路(外環)や相鉄・東急直通線で、工事ルート上の地表面が陥没するなどの事故が発生した。
国交省はシールド工法の安全性を高める必要があると判断。シールド工法の安全性向上について話し合う有識者会議を立ち上げ、シールド工事の受発注者にヒアリングしながら、事故を教訓とした技術的な知見を踏まえ、ガイドラインの策定を進めている。
提供:建通新聞社