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中央ニュース

2021/11/18

大規模公共事業予算など要望 全建

 全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は、11月17日に開いた理事会で、『国土強靱(きょうじん)化・社会資本整備を着実に推進し、地域建設業がその社会的使命をこれからも果たしていくために』と題する、政府・与党に対する要望書をまとめた。10月に全国9ブロックで開いた地域懇談会・ブロック会議で出た意見を集約した。2021年度補正予算での大規模な公共事業予算の確保や、入札でのダンピング対策の強化、技能者の処遇改善のための設計労務単価のさらなる引き上げなどを盛り込んだ。同日、自民党幹部や国土交通相に提出した。
 要望書ではまず、地域建設業を取り巻く現状について、公共事業予算の下げ止まりなどによって改善傾向にあったものの、コロナ禍による民間建設投資の中止・先送りや、コロナ対策費の負担に苦しむ地方公共団体の発注控えなどによって、「景況感は急速に悪化している」と指摘。
 多発する自然災害の激甚化にも触れ、地域の安全・安心を担う地域建設業が社会的使命を果たしていくためには、安定した経営が必要だとし、『防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策』を含め、安定的・持続的な事業量の確保が不可欠だと強調した。
 また、時間外労働の上限規制にも対応し、働き方改革を軌道にのせるためには、「工期の適正化・平準化、ダンピング対策の強化など、発注者側の理解と協力が必須」と訴えた。
 主な要望事項は次の通り。
 ▽22年度予算での、21年度を上回る公共事業予算の確保と、国土強靱化予算の当初予算での別枠確保▽コロナ対策で財政の余裕を失っている地方公共団体の公共事業の地元負担に対する、交付税措置などによる支援の拡充。地域の実情に応じた、地方への予算の重点的配分▽コロナ禍からの経済の回復とインフラ整備のための、21年度補正予算での大規模な公共事業予算(20年度第3次補正予算以上の額)の確保と、複数年の施工を可能にする繰り越しなどの制度改善▽ダンピング受注の排除に向けた最低制限価格上限枠の引き上げなどと、対策の市町村への徹底▽最新の労務単価や、高騰する資機材の実勢価格を反映した適正な予定価格の設定▽新・担い手3法と、発注関係事務の運用指針の発注者ヘの周知徹底による施工時期の平準化や、適正な工期の設定▽『工期に関する基準』の民間を含む全発注者への周知徹底▽技術者の処遇改善のための現場管理費と一般管理費の引き上げと、積算での別枠計上▽建設キャリアアップシステムによる、設計労務単価の引き上げや建退共の退職金の割り増しなど技能者の処遇改善の道筋の明確化▽生産性向上に向けた、中小建設業のICT施工とBIM/CIM導入への支援▽自然災害など不可抗力によって生じた工事目的物の損害の受注者負担の撤廃▽災害時の応急復旧活動中の労働災害への公的補償措置の拡充


提供:建通新聞社