国土交通省は、生産性向上の取り組みを総合評価落札方式の入札で評価するため、ICT活用などによる生産性向上の取り組みについて、技術提案や施工計画への記載を求める。直轄土木工事の総合評価のうち「技術提案評価型S型」と「施工能力評価型T型」での試行を予定。技術提案評価型S型では提案を3段階で評価し加点する。11月15日付で各地方整備局に通知した。
技術提案評価型S型では、テーマ(課題)に対して複数の提案を求めており、その一つを生産性向上につながる提案として設定する。具体的には、▽施工の効率化や省力化▽労働環境の改善▽情報通信技術(ICT)の活用などによる生産性向上―での提案を求め、その効果を3段階で評価する。
評価方法は「高い効果が期待できる」場合に満点、「効果が期待できる」場合に50%の加点とし、「一般的事項のみの記載となっている」場合は0点とすることを例示した=表。
すでに東北や近畿の地方整備局では同様の取り組みを始めており、他の地整でも準備ができ次第、試行していく。技術提案評価型S型で発注する工事のうち、入札参加者が多く見込まれる工事や、同一工種の施工量が大きく生産性向上の効果が大きいと想定される工事で試行する。
技術提案評価型S型は通常、WTO工事など難易度の高い工事で適用されているもの。
一方、施工能力評価型T型では、発注者指定型のICT活用工事での試行を予定。ICT活用などによる生産性向上の取り組みについて施工計画に記載を求める。T型では以前から施工上配慮すべき事項として、施工方法や環境対策の記載を求めていた。試行では新たに「施工の効率化や新技術の活用による生産性向上等」の記載を求める。
ICT活用以外の新技術の活用や施工の効率化などでの生産性向上の取り組みも評価する。
記載に対する評価は通常、点数化せず〇×で行っている。ただ、施工計画を点数化している地整が一部にあることから、今回の試行では、記載内容に応じて点数化して評価することも認める。
施工能力評価型T型は通常、土木のB・Cランク工事で多く適用されている。
提供:建通新聞社