国土交通省は、11月5日から「2021年度下期ブロック監理課長等会議(入札契約担当課長会議)」を全国8ブロックで開催する。ブロック別に都道府県の担当課長を集め、技能労働者の処遇改善、円滑な施工確保をテーマに意見を交わす。10月に開かれた中央建設業審議会での検討事項も説明する。
技能労働者の処遇改善ではダンピング受注の防止、対策強化への取り組みをさらに強めるよう働き掛ける。具体的には、低入札価格調査制度での失格基準の適切な設定や厳格な低入札調査の実施により制度の実効性を確保する必要性を説明する。
適正化指針では「失格基準を積極的に導入・活用」するとともに、失格基準の価格水準を低入札価格調査の基準価格に近づけることで、適正な施工に懸念がある建設業者を排除するよう促している。
ただ、都道府県の中には、予定価格に対する失格基準と調査基準の割合の差が約20ポイントと大きくかい離していたり、低入札調査の排除率が約5%(145件中6件)と極めて少ない団体がある。両基準のかい離が大きく、低入札調査を行っても排除されにくければ、ダンピング対策の実効性が弱まる。
このためブロック会議で直轄工事の取り組み事例を示し、都道府県に共有してもらう。
技能労働者の処遇改善ではこの他、発注者、元請け、下請けなど関係者全体で法定福利費の適切な支払いに取り組むため、法定福利費や労務費が本来、固定費(義務的な経費)であるべきという認識を都道府県にも高めてもらう。
中建審の検討事項については、JV準則の改正や経営事項審査の改正の方向性を説明した上で意見を聞く。
会議は、5日に広島市で開く中国ブロックを皮切りに▽四国(8日)▽関東甲信(12日)▽九州・沖縄(15日)▽北陸(16日)▽近畿(18日)▽中部(12月3日)▽北海道・東北(16日)―の全国8ブロックで開く予定だ。WEB併用で開催するところもある。
提供:建通新聞社