日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)のまとめによると、法人会員95社の2021年度上期(4〜9月)の建設受注は前年同期比13・4%増の6兆2230億1600万円だった。前年度の上期は、新型コロナウイルス感染の影響で契約の遅れや事業の先送りがあったが、21年度はこれが解消。民間を中心に堅調に受注が推移し、一昨年の上期(6兆1068億6700万円)を超える水準に回復した。
21年度上期の受注のうち国内受注は前年同期比12・3%増の6兆0921億1000万円。このうち民間からの受注は17・0%増の4兆3770億2700万円、官公庁からの受注は2・7%増の1兆7008億0900万円といずれも増加した。
民間のうち製造業からの受注は17・9%増の8440億5400万円。受注先を業種別で見ると、その他機械を除く全業種でプラスし、特に食品や輸送用機械、化学で増加が目立った。
また、非製造業からの受注は16・8%増の3兆5329億7300万円。受注先の中心である不動産業が17・7%増の1兆2730億4300万円、サービス業が16・4%増の7715億8600万円に増加し、全体の伸びをけん引している。
官公庁のうち国の機関からの受注は8・8%増の1兆1080億4100万円。国からの受注は22・0%減の4386億0400万円と減少したが、高速道路工事を中心に政府関連企業が54・9%増の5690億0100万円に増え、全体ではプラスした。
一方、地方の機関からの受注は7・0%減の5927億6800万円とマイナスした。都道府県からの受注は16・4%増の1557億4400万円と増えたが、市区町村は8・1%減の3337億0800万円、地方公営企業は37・0%減の657億1300万円に落ち込んだ。
海外での受注は、98・8%増の1309億0600万円。前年同期に落ち込んだ反動で大幅なプラスとなった。
国内外の受注の工種別の内訳は、建築が18・0%増の4兆2961億6000万円、土木が4・2%増の1兆9268億7500万円。
国内の地域ブロック別では、東北と北陸を除きプラスした。
会員からのヒアリングによると、年度当初の受注計画を達成できている企業が多いものの、受注競争が厳しさを増しており、利益の確保が各社の課題になっているという。
提供:建通新聞社