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中央ニュース

2021/10/27

オンライン電子納品 12月から本格運用

 国土交通省は、12月1日以降に完成する工事を、原則として「オンライン電子納品」の対象とすることを決めた。今夏に一部工事で運用し技術的な検証が完了したため、本格運用に移行する。
 オンライン電子納品は、工事や業務の成果品をインターネット上で納品できるようにするもので、受注者が情報共有システム(ASP)に登録した成果品を発注者が確認。発注者の承認後、成果品のデータが「電子納品・保管管理システム」に自動で登録される仕組み。
 本格運用に当たっては、工期末が6〜7月の工事で一部運用し、7月下旬にいったん運用を完了した。その後、7〜8月にかけて、操作性や通信・クラウド環境の負荷など、システムの不具合を確認・調整した。
 一部運用の対象となったのは全45件(完成納品43件と中間納品2件)。登録処理時間は1件当たり約20分。電子納品成果のデータ量は1工事平均で約1・8GB、最大約15GBだった。
 一方で一部運用では、通信回線の事情で従来の納品に切り替えたり、納品後のデータ修正で時間を要するといった課題も判明した。このうち納品後のデータ修正では、修正依頼を受注者からシステム運用者に口頭で伝える必要があり、時間を要した。このため電子納品の手順を一部変更し、オンライン上で修正できるようにする。12月の本格運用には間に合わないが、本年度末までに改善する考えだ。
 通信回線の事情やASPの制限でオンライン電子納品が実施できない場合については、本格運用への移行後も受発注者協議の上、従来の納品も認めていく。
 同省では、2001年度から直轄事業での電子納品の運用を開始。受注者が調査・設計と工事の成果品をCD―Rなどに格納し、発注者に納品してきた。オンライン化によって、受注者側の電子媒体への格納や郵送の作業負担を軽減するとともに、受発注者が成果品をASPで共有できるようにし、作業効率や品質の向上につなげる。
 
提供:建通新聞社