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2021/10/21

繰越額「可能な限り削減」 財務省

 財務省は、10月20日に開いた財政制度等審議会の歳出改革部会で、公共事業の執行を平準化するよう求めた。国土交通省の直轄工事では、当初予算に計上された工期1年程度の工事の約3割が10月以降に契約され、約4割が繰り越し手続き後から翌年度に掛けて執行されている。財務省は、翌年度にまたがる見通しの事業には、国庫債務負担行為を活用し、繰越額を可能な限り減少するよう求めている。
 国土交通省の直轄工事の工事契約件数(2020年度、国債工事を除く)を見ると、10月以降に契約している工事が3割を占めている。また、事業の4割が年度末に繰り越し手続きを行い、翌年度にまたがって執行されている。
 財務省は、当初予算を計画的に執行するため、工期が2カ年にまたがる見通しの工事には、2カ年国債やゼロ国債を活用し、計画的、円滑に予算を執行するよう要請。国債を活用すれば、適切な工期確保も可能になると指摘した。
 この他、歳出改革部会ではソフト・ハードを効果的に組み合わせた交通安全対策の実施も求めた。今年6月に千葉県八街市で発生したトラック衝突事故を受け、関係省庁と地方自治体が全国の通学路を点検し、速度規制や歩道整備などの対策を実施する予定。
 財務省は、通学路の速度制限や車両進入規制など、交通規制を実施している小学校が全体の3割にとどまっているとして、これらの交通規制の強化を前提に、安全を確保するためのハード整備を推進するよう求めた。
 また、ハード整備の対象箇所では、ETC2・0で得られる走行データを活用し、対策の効果を定量的に把握することも求めた。

提供:建通新聞社