国土交通省は、監理技術者などの配置要件の在り方を見直すため、11月中に有識者を交えた「適正な施工確保のための技術者制度検討会(仮称)」を設置する。業界団体へのアンケート調査も行い、今後の方向性と課題を整理する。2022年半ばに取りまとめを行う。このほど開かれた中央建設業審議会で報告した。
検討会では、担い手確保や生産性向上といった建設業の課題や、近年のICT技術の向上を踏まえ、技術者制度の今後の在り方と実施すべき施策を検討する。
具体的には、監理技術者・主任技術者の配置要件の在り方や、担い手確保の観点から技術検定制度の見直しなどを進める。
業界団体へのアンケートでは、これまでの制度改正の活用状況やICT技術の利用状況(遠隔による現場管理など)について調べ、実態を把握する予定。
制度改正では、昨年10月に施行された改正建設業法で、監理技術者補佐(1級技士補を有する主任技術者)を専任で置いた場合に2工事で監理技術者の兼務を認めたり、技術検定の新たな資格として技士補を創設した。
また、6月に政府の規制改革推進会議がまとめた答申では、監理技術者の専任要件の合理化に向けて、「ICT活用により、さらなる専任要件の緩和が可能になるとの指摘がある」とされ、「法改正後の制度の運用状況を検証するとともに、必要に応じた検討をすべき」とされた。
技術者制度の見直しについて、中央建設業審議会で委員を務める日本建設業連合会の宮本洋一会長は「大賛成だ。建設現場でもICT活用が進み、働き方や管理の方法が大きく変わった。DX推進や働き方改革、担い手確保を進めるためにも前向きな検討をお願いしたい」と述べた。
提供:建通新聞社