2021/10/16
全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(2)四国
全国建設業協会(奥村太加典会長)の2021年度四国ブロック会議として、四国建設業協会連合会(四建連、会長・森田紘一香川県建設業協会会長)と国土交通省や四国4県などが10月13日、高松市内で意見交換会を開いた。四国の地域特性を踏まえた防災・減災対策や社会資本整備の強力な推進を訴えた四建連に対し、国交省は「防災・減災・国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策に着実かつ計画的に取り組むための予算を確保する」「地域の安全・安心確保やミッシングリンク解消に向けた着実な整備を進める」と答え、予算確保と円滑な事業推進に取り組むことで一致した。
四建連は、四国全土での防災・減災対策と、重要な社会資本整備の強力な推進が必要だとし、南海トラフ地震対策や高速道路のミッシングリンクの解消、四国の新幹線の早期実現に向けた予算措置を求めた。
国交省は「地震・津波対策に加え、激甚化・頻発化する自然災害への対応、さらにインフラの老朽化対策や中山間部の地滑り・土砂災害対策などを着実に進めるとともに、各県での取り組みを支援する」と述べた。
ミッシングリンク解消の重要性にも触れ「事業区間の着実な整備を進めつつ、地域の高速道路の利用状況などを踏まえ4車線化を推進していく」と回答。新幹線については、熟度が高まっていないとして整備計画への格上げは現段階で難しいとの見解を示した。
次に四建連は、建設業の働き方改革と担い手の確保・育成の重要性を訴え、いわゆる新担い手3法の全ての発注者への浸透や、抜本的な積算体系の見直しを求めた。
国交省は「総務省と連名で6月に地方公共団体に要請した『技能労働者の処遇改善に向けた環境整備のための適正な入札・契約の実施』が浸透するよう、市町村にも直接働き掛けている」と述べるとともに、「適切な労務単価の設定、小規模工事へのICT活用に向けた積算基準の整備、適正な工期設定に取り組む」とした。
四建連はさらに、地域経済と雇用を支え、社会資本整備の担い手として地域建設業が重要な役割を担っていることを強調。「四国の工事は四国の地元企業に」を原則とした受注機会の確保・徹底を要請した。
国交省は、地域の建設業が持続的に発展できる条件を整えることが重要との認識の下、「引き続き適切な地域要件の設定や総合評価落札方式での加点措置などに適切に取り組む」との意向を示した。(地方建設専門紙の会)