トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2021/10/07

土木学会 市町村道路橋の健康状態を可視化

 土木学会(谷口博昭会長)は、道路橋の健康状態に関する市町村別評価をまとめ、公表した。全国1499市町村のうち、2014年〜18年の間に点検した橋梁の総数が50橋以上ある市町村を対象に橋梁の損傷度評価をマッピングした。道路橋の“健康状態”を可視化することで、インフラの現状を国民に分かりやすく伝える狙いもある。
 マッピングは市区町村にある全ての橋梁の損傷度の平均を算定し、順位付けした上で、損傷度が小さく健全な橋梁が多い上位の25%(375市町村)を青色に、中位の50%(749市町村)を黄色に、損傷度が大きく劣化橋梁が多い下位の25%(375市町村)を赤色に着色した。
 土木学会が6日に行った記者説明会では、インフラ健康診断小委員会の中村光委員長(名古屋大学大学院工学研究科教授)は、「北海道、日本海側の東北、北陸、四国、九州東部)で、全国平均より損傷度が大きい市町村が多くなる傾向がある。一方で東京、神奈川、大阪など人口の多い都府県の中にも損傷度が大きい市町村が存在している」ことなどを指摘。
 その上で、「損傷度が大きい市町村はアルカリ骨材反応(ASR)と塩害の重複地域がほぼ一致する傾向がみられ、使用材料や環境の影響で橋梁が劣化しやすい地域が存在することが想定される」として、「自然科学的条件以外の要素も含めて、さらに分析を進めていく必要がある」との認識を示した。

提供:建通新聞社