国土交通省は、建設業法施行規則に基づく新たな登録基幹技能者講習として「建築測量」を10月6日付で新たに認定した(国土交通大臣登録)。38職種目の登録基幹技能者講習となる。
講習の実施機関は、全国建築測量協会(椛嶋寿彦理事長、全建測)。墨出し工事の技能者の社会的地位確立を目指している。
墨出し工事は、図面と実際の位置を把握するため、地面や壁などに必要な基準線を書き出す作業。近年、トータルステーションやUAV(ドローン)、3Dレーザースキャナーなど使用する機器が進化し、工事の精度管理や計測・検査作業も加わり、専門性がより高くなってきたという。
認定に当たり同協会は、協会員を対象にした民間資格「建築測量技能者」を創設する他、建設キャリアアップシステム(CCUS)への職種追加と技能者の能力評価制度(レベル判定)への対応も計画。適切に墨出しや計測・検査ができる登録基幹技能者について、今後10年間で800人(年平均80人)の育成を目指す。
登録基幹技能者は、建設業法施行規則に基づき、熟達した作業能力、豊富な知識、現場を効率的にまとめるマネジメント能力を備えた技能者を認定する資格制度。2021年3月末時点で、7万4499人の技能者が資格認定を受けている。
公共工事関連では、登録基幹技能者が所属する企業が経営事項審査の加点評価を受けられる他、総合評価落札方式で加点措置を講じている発注者もある。日本建設業連合会の会員企業約20社(20年9月時点)では、手当て支給の対象となる「優良技能者認定制度」の認定要件に、登録基幹技能者の有資格者であることを求めている。
提供:建通新聞社