国土交通省は、建設分野での外国人材の適正な活用に向けて、2022年度に特定技能1号評価試験(1号試験)の海外実施のための新たな現地調査や、特定技能2号評価試験(2号試験)実施のための実態調査に取り組む。帰国した元技能実習生を特定技能外国人として受け入れるため、実習後の就業実態を調査する他、受け入れ企業とのマッチング支援にも乗り出す。
特定技能1号の海外試験は、20年度にベトナムとフィリピンで初めて開催した。その後、新型コロナウイルス感染症のまん延で実施がままならない状態が続いていたが、コロナ収束後を見据え、新たにネパール、スリランカ、バングラデシュの3カ国を対象に、試験に向けた調査と環境整備を進める。海外試験は建設技能人材機構(JAC)と海外教育機関が連携して実施することになる。
特定技能2号は、24年度以降の受け入れ開始に向けて2号試験の実施方法などの検討を進めている。22年度には外国人材の賃金水準を含む受け入れ状況の実態調査を行い、2号試験検討の基礎資料とする。
元技能実習生については、帰国後の就業先などを調べる。その上で、現地送り出し機関などと連携して、元技能実習生の特定技能外国人としての募集・確保を目指す。併せて、受け入れ企業とのマッチング支援にも力を入れる。
特定技能は外国人労働者としての日本での在留資格で、19年度に創設した。在留期間が上限5年の「特定技能1号」と、在留期間が無制限で家族の帯同が可能となる「特定技能2号」の二つからなる。技能実習未経験者が特定技能1号の在留資格を得るには1号試験(技能試験と日本語試験)に合格する必要がある。
さらに特定技能1号を経て2号の在留資格を得るには2号試験に合格する必要があるが、2号試験については現在、試験内容や実施方法を検討中で、詳細は固まっていない。
建設分野の特定技能外国人は6月末現在で2781人が国内で就労している。
提供:建通新聞社