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中央ニュース

2021/09/08

BIM/CIM 詳細設計・施工から順次

 国土交通省は、2023年度のBIM/CIM原則適用に向け、活用効果を見込みやすい詳細設計と施工から適用を始め、全体に広げていく。併せて、発注者からの工事・業務の要求事項(リクワイヤメント)に対する履行を任意として受注者の負担を軽くすることで、BIM/CIMのさらなる活用を促し、円滑な事業実施を目指す。9月7日に開いた「BIM/CIM推進委員会」で説明した。
 詳細設計では、「3次元モデル成果物作成要領(案)」に基づく3次元モデルの作成と納品を求める。施工では設計3次元モデルを用いた設計図書の照査、施工計画の検討を行うこととするなど履行条件を明確にした。3次元モデル成果物作成要領(案)は改定を検討し、3次元から2次元切り出しの範囲を明確にする。
 発注者から受注者に対するリクワイヤメントについては、これまで要求事項全10項目のうち4項目以上の実施を義務付け、履行できた場合にBIM/CIM活用実績1件としてきた。この要求事項を選択式による業務6項目と工事4項目に内容を改めるとともに、履行を任意に変更。その代わりに3次元モデル成果物作成要領(案)の適用を必須とし、BIM/CIM活用の実績を認めていくこととする。
 これらの取り組みにより、▽完成イメージの共有▽設計条件の確実な伝達による関係者協議円滑化▽設計ミスに起因する変更協議の低減▽ICT施工で活用可能な3Dデータ提供による生産性向上―につなげる。
 直轄事業では12年度からBIM/CIMの活用が始まった。20年度の活用件数は515件(工事126件、設計業務389件)、12〜20年度累計の活用件数は1506件(工事572件、設計業務934件)となった。
 順調に伸びてきた実績を踏まえ、同省は23年度までに全ての公共工事(小規模を除く)でBIM/CIMを原則適用する目標を設定。21年度は一般土木と鋼橋上部の大規模構造物の全ての詳細設計で原則適用する他、20年度にBIM/CIMを適用して詳細設計を行った工事で活用していく。ICT施工での活用も検討する。
 22年度以降は、一般土木、鋼橋上部工の大規模構造物全ての詳細設計・工事で原則適用する他、一般土木、鋼橋上部工以外(小規模除く)の全ての詳細設計でも原則適用する。
 推進委員会ではこの他、設計で活用可能な3次元測量について、精度を確保するための手法を検討しマニュアル案をまとめることや、「事業監理のための統合モデル活用ガイドライン(仮称)」を策定し、個別契約単位で管理しているデータの効果的な運用方法を示すことに取り組むとした。

提供:建通新聞社