国土交通省は、2022年度に環境省と合同で建設リサイクル法の施行状況を整理し、リサイクル特定品目の追加や対象建設工事基準の見直しについて検討を始める。同法は施行後5年以上経過した場合、施行状況を検討し、検討結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされている。
建設リサイクル法は、生活環境の保全などを目的に、特定建設資材(リサイクル特定品目)の分別解体・再資源化などを義務付けており、00年に公布、02年に完全施行した。
リサイクル特定品目は現在、「コンクリート」「コンクリートおよび鉄からなる建設資材」「木材」「アスファルト、コンクリート」の4品目。
特定品目の追加に向けては、排出量や再資源化技術の開発状況、再資源化施設の整備状況、再資源化の費用などを踏まえ、特定品目への指定が適切とされる建設資材を洗い出した上で、新たに指定する。併せて、建設現場での分別・解体に関するマニュアルもまとめる。
対象建設工事基準については、現状での工事規模と不適正処理との関係を調査・分析するとともに、各自治体の取り組み状況や、小規模工事での効率的な分別・解体の仕組みを調査した上で見直す。
現行の規模基準は▽建築物の解体工事=床面積合計80平方b以上▽新築・増築工事=同500平方b以上▽修繕・模様替え工事(リフォームなど)=請負代金1億円以上▽建築物以外の工作物(土木工事など)=同500万円以上―となっている。
環境省との会合は、社会資本整備審議会と中央環境審議会の合同で行い、同法の施工状況を評価・検討する。この評価・検討を踏まえ、建設現場での建設資材再資源化の実態調査・分析を実施し、建設リサイクル法の施策検討に必要な基礎資料をまとめる。
特定品目を追加することで建設資材の再利用を促し、廃棄物発生量を軽減する。対象工事の規模基準の見直しでは現場の把握・監視範囲が広がり、不適正な分別・解体工事の抑制が期待される。
提供:建通新聞社