国土交通省がまとめた「地価LOOKレポート」によると、2021年第2四半期(4月1日〜7月1日)の主要都市の地価動向(対象は全100地区)は、前期に引き続き上昇地区数が増加した。堅調なマンション販売状況が主な要因となっているようだ。
上昇地区は前期の28地区から35地区に増加。横ばい地区も減少し、上昇地区数がさらに増えた形だ。特にマンションの販売状況が堅調な中、事業者の不動産取得の動きが回復している地区が増加しているという。
用途別にみる変動率区分の内訳は、住宅地が上昇24地区、横ばい8地区、下落0地区。商業地が上昇11地区、横ばい28地区、下落29地区となった。
商業地では大きな変化はなかったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、店舗などの収益性が低下し、一部で弱い動きがみられた。
変動率区分が横ばいから上昇に移行した地区は全7地区(住宅地と商業地)あった。うち東京が中野駅周辺など4地区、京都が二条など2地区、滋賀が南草津駅周辺の1地区となった。
7地区のうち唯一の商業地である東京のJR中央線中野駅周辺(中野区)は、再開発への期待や、取引事業者の様子見姿勢の緩和で取引市場が正常化しつつあり、上昇に転じた。
京都の二条地区は、コロナ禍でホテルなど観光需要が落ち込む一方、京都市中心部への良好なアクセス性もあり、通勤時間短縮のため、分譲マンションや賃貸マンションの需要が強まっている。同地区の住宅需要は当面、強含みで推移するとみられる。
地価LOOKレポートは主要都市の高度利用地を対象に四半期ごとに地価動向を調査している。対象は全国100地区(東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区)。
提供:建通新聞社