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2021/08/24

建設業 違法な時間外労働816件

 厚生労働省は、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の結果(2020年度)を公表した。労働基準監督署が監督指導の対象とした建設業の事業場は2004件で、このうち違法な時間外労働があった事業場は816件(違反率40・7%)。建設業への時間外労働の上限規制は24年3月まで猶予されているが、改正前の労働基準法令に対する違反率も、全産業平均(37・0%)より高い結果が出ている。
 監督指導を実施した事業場は、全業種の合計で2万4042件。このうち、労働基準関係法令の違反は1万7594件で見つかった。違法な時間外労働があった事業場は8904件で、違反率は37・0%。1カ月200時間超の時間外・休日労働を行わせた事業場も93件あったという。
 建設業の監督指導の結果を見ると、労働基準関係法令違反があった事業場は1420件。三六協定を結ばない時間外労働や、三六協定で定める限度時間を超えた時間外労働を行わせていた事業場は816件あった。
 この他、割増賃金を支払っていない賃金不払い残業は154件、労働者からの申し出があっても健康診断を行わないといったケースも332件で見つかった。
 建設業は、19年4月1日に施行された改正労働基準法の時間外労働の上限規制が24年3月まで適用を猶予されている。このため、監督指導で見つかった時間外労働に関する法令違反も、改正前の労働基準法に照らしたもの。建設業の労働時間に関する違反率40・7%は前年度比で8・7ポイント改善したものの、全産業平均の37・0%を上回っており、他産業との差は埋まっていない。

提供:建通新聞社