国土交通省は、8月11日以降の大雨による災害対応で、応急復旧工事の円滑な実施に向けた前金払の実施や、工事の一時中止の指示などを適切に行うよう、全国の地方自治体に通知した。
前金払については、前払金保証の事務処理迅速化・弾力化を図るよう、北海道・東日本・西日本建設業保証会社にも要請。災害復旧を担う建設企業が人員・資機材を円滑に確保できるよう、前払金と中間前払金の書類確認を弾力的に行うことを求めた。
被災した建設企業が前払金保証の契約や払い出し手続きに必要な書類を紛失しても、それに代わる書類の請求を行ったり、発注者に確認することで、柔軟に事務処理に当たるよう要請。交通・郵便事情が悪化した地域で、書類を持参できない場合には、ファクシミリなどでの対応を認めることも求めた。
工事の一時中止は、災害により現場の状況が変わり施工できなくなった場合や、当面の災害応急対策を優先するため施工者の融通が必要になった場合、各発注者が的確に中止命令を出すよう要請。併せて、中止に伴い必要となる予算の繰り越し手続きを適切に行うこととした。
災害復旧工事の入札・契約については、「災害復旧における適切な入札契約方式の適用ガイドライン」などのマニュアルを参考にするよう通知。道路啓開やがれき撤去などの応急復旧事業や、橋梁復旧など緊急度が極めて高い本復旧事業での随意契約を活用した手続きの簡素化、入札での透明性・公正性の確保、ダンピング対策の徹底などに配慮を求めた。
8月の大雨では活発な梅雨前線の影響により、全国各地の広い範囲で記録的な大雨となり、多数の河川氾濫、土砂崩れ、道路の崩壊などが発生している。
提供:建通新聞社