日本政策投資銀行(DBJ)は、国内の大企業と中堅企業の2021年度の設備投資計画について調査結果をまとめた。計画ベースで前年度比11・3%増と、コロナ禍による20年度の落ち込みから製造業を中心に回復する。このうち大企業は12・6%増と回復が鮮明だが、ホテルや旅館などサービス業の多い中堅企業は0・2%のマイナスで、業種によって二極化するK字回復の様相も見せている。
原則として資本金10億円以上の企業を対象とし、大企業3022社、中堅企業6464社に、6月22日を期日に調査した。国内設備投資に関する回答率は大企業が60・3%、中堅企業が59・9%だった。
大企業の国内設備投資の20年度の実績は、新型コロナの影響で、製造業が前年度比11・6%減、非製造業が9・5%減、全産業で10・2%減と落ち込んだ。
21年度は、コロナ禍で前年度に見送った投資を実施するほか、脱炭素やデジタル化の加速を踏まえた投資もあり、計画ベースで前年度比12・6%増と回復する。内訳は製造業が18・6%増、非製造業が9・7%増となっている。
中堅企業も20年度の実績は、製造業が17・5%減、非製造業が11・5%減、全産業で14・1%減と減少した。
21年度は計画ベースで製造業は5・4%増と回復するが、非製造業は4・2%減と引き続き減少し、全産業でも0・2%減とマイナスが続く見通し。
提供:建通新聞社