全国知事会は、7月の大雨で被害を受けた被災地の復旧についての緊急要望をまとめ、政府に提出した。被災地の復旧工事への早期着手と補正予算による財源確保に加え、静岡県熱海市で発生した土砂災害の原因究明、建設残土の処分や地形改変への全国統一の基準・規制を設けるよう求めた。
被災地の再度災害を防止するため、原形復旧だけでなく、河道の拡幅や橋梁の改築などの改良復旧を積極的に推進するよう要請。被害を受けた県管理河川・道路、市町村道については、国の災害関連緊急事業や権限代行制度を活用するなど、支援の強化を訴えた。
自治体の条例に頼っている残土処分や地形の改変への規制については、在り方を検証した上で対応方針を示し、再発防止策を徹底すべきとした。条例の罰則には上限規定があり、適正処理の徹底には限界があるとし、法制化による全国統一の基準・規制を早急に設けることを求めた。
「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策」の対象事業の拡大や要件緩和により、風水害対策を強化する必要性も指摘。当初予算に別枠の財源を確保し、継続的に国土強靱化対策を推進するよう求めた。
提供:建通新聞社