国土交通省は、2021年度に直轄工事で試行する「建設キャリアアップシステム(CCUS)活用モデル工事」のうち、WTO(政府調達協定)を対象とする義務化モデル工事で、20年度実績の3倍増となる63件の試行・契約を目指す。地方整備局別でみると関東、近畿、中部での試行が多く見込まれている=表参照。
CCUS活用モデル工事は、下請けの事業者登録率、現場入場する作業員の技能者登録率と就業履歴蓄積率(カードタッチ率)に応じて工事成績を加点・減点する「義務化モデル工事」(発注者指定型)と、工事成績の加点のみとなる「活用推奨モデル工事」(受注者希望型)の2類型がある。20年度に創設した。
義務化モデル工事の対象は、WTO対象の一般土木工事の中から各地整で選定。受注者が▽平均事業者登録率90%▽平均技能者登録率80%▽平均就業履歴蓄積率50%―の「目標基準」を全てクリアした場合、工事成績を1点加点する。
平均技能者登録率が目標基準を上回る90%以上になると、さらに1点を加点する。ただ、三つの項目のいずれかが目標基準を著しく下回った場合は1点の減点になる他、未達成項目を公表する。各項目の達成状況は、工事開始後6カ月を初回として3カ月に1回計測し、発注者に報告する。
一方、活用推奨モデル工事は、WTO対象を含む一般土木工事を対象とする。目標基準を上回った受注者に対する加点措置は義務化モデル工事と同じだが、減点措置は講じない。
21年度に予定する活用推奨モデル工事をランク別でみると、一般土木・WTOが4件(20年度17件)、一般土木Bが10件(4件)、一般土木Cが36件(18件)となっている。一般土木Cの工事場所については愛知県内の5件が最多で、兵庫県内で4件、静岡県、島根県、岡山県、山口県で各3件などを予定している。
提供:建通新聞社