国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価実施団体による技能者のレベル判定(能力評価事務)を9月から再開する。また並行して、レベル判定のCCUSへのワンストップ化の仕組みなどを整理し、業界団体に提示した上で具体化の議論を始める考えだ。
CCUSのレベル判定(技能者の能力評価)は、CCUSと別のシステムを国交省で構築していたが、CCUSへのワンストップ化を目指す方針の下、6月16日にいったん運用を停止。システム停止後のレベル判定については、当分の間、各能力評価実施団体で行うこととし、一部の団体で手作業による受け付けを試行的に実施してきた。
全体的な再開に当たっては、能力評価実施団体全35職種49団体のうち約7割の団体が自団体もしくは委託の形で、レベル判定を受け付けると表明している。現時点で23団体が自団体、15団体が委託を選択。委託先は全国建設労働組合総連合か日本機械土工協会のどちらか。
残る3割の団体も調整を続け、順次再開を目指す。
CCUS登録技能者の技能(保有資格・講習受講記録など)と経験(就業履歴など)に基づいて行われるレベル判定は、CCUSと別システムとなる「レベル判定システム」で2020年4月に運用を開始した。しかし、利用者にとっては二つのシステムで申請手続きが生じる二重負担感があり、利用実績も伸び悩んでいた。
そこでレベル判定とCCUSの手続きをワンストップ化し、CCUS登録・変更申請の中でレベルアップの申請(レベル判定)を可能にすることで、二重負担感を解消する。
ワンストップ化に向けた、申請〜料金支払い〜カード発行までの手続きの具体的な内容は、9月の能力評価事務の再開をめどに、ワンストップ化の仕組みなどの素案を整理し業界団体に提示した上で具体的な検討を進める。
7月30日にCCUS運営協議会の第14回運営委員会で国交省が説明した。
運営委員会では、建設業振興基金などから、CCUSの登録が事業者、技能者ともに順調に伸びていることや、API連携の際のCCUSカード読み取り条件を緩和し、顔認証などカードタッチを前提としない就業履歴の収集を認めることなどの報告もあった。
提供:建通新聞社