全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は、2021年6月に調査した地方公共団体における最低制限価格制度・低入札価格調査制度の運用状況をまとめた。両価格の算定に関して、19年の中央公契連(中央公共工事契約制度運用連絡協議会)の最新モデルか、これと同等の水準、あるいは最新モデル以上の水準を採用している地方公共団体は、47都道府県は全団体、政令指定都市・県庁所在市では84・3%の43団体だった。
都道府県47団体と政令指定都市・県庁所在市51団体を対象に毎年調査しているもの。
19年3月に改訂された最新の中央公契連モデルでは、最低制限価格あるいは低入札価格調査基準価格の算定で、「直接工事費×0・97+共通仮設費×0・9+現場管理費×0・9+一般管理費×0・55」の算定式を適用。さらに価格の下限を予定価格の75%、上限を予定価格の92%としている。
都道府県では、23団体が最新モデルを適用していた。また、最新モデルと同等の水準の団体が6団体▽最新モデルより算定式の係数を引き上げたり、予定価格の範囲内で上限を撤廃したりして、最新モデル以上の水準にしている団体が13団体▽最新モデルと同等または上回る水準の独自算定式を使っている団体が5団体―だった。
前回まで非公表だった福島県が算定式を公表。最新モデルに達しない水準の団体は、都道府県ではゼロであることが確認できた。
一方、政令指定都市・県庁所在市では、最新モデルを適用している団体が18団体▽最新モデルと同等の水準の団体が3団体▽最新モデル以上の水準の団体が18団体▽最新モデルと同等または上回る水準の独自算定式を使っている団体が4団体―だった。新たに水戸市が最新モデルの適用団体に加わった。
しかし、依然として3団体が過去の17年モデルと同等の水準▽2団体が16年モデル以前の水準―にとどまっていた。また、3団体が非公表だった。
提供:建通新聞社