国土交通省が直轄で実施しているBIM/CIM活用業務・工事が、2020年度末で累計実績1500件を超えた。今後も23年度までの全ての公共工事(小規模除く)でのBIM/CIM原則適用に向け、段階的に適用を拡大していく方針。21年度は一般土木と鋼橋上部の大規模構造物の全ての詳細設計で原則適用を進める他、ICT施工での活用も検討する。
公共工事でのBIM/CIM原則適用は、当面、一般土木(道路、トンネル、ダム、河川など)と鋼橋上部の大規模構造物を対象とする。20年度は両工種の大規模構造物の全ての詳細設計・工事で活用を開始。発注者から受注者に対する要求事項(リクワイヤメント)を設定し、要求事項全10項目のうち4項目以上を実施した場合にBIM/CIM活用実績1件としてきた。
21年度は一般土木と鋼橋上部の大規模構造物の全ての詳細設計で原則適用する他、20年度にBIM/CIMを適用して詳細設計を行った工事で活用する予定。
リクワイヤメントについては業務6項目、工事4項目に分けて要求事項の内容を見直すとともに、選択式に変更。その代わり、20年度に策定した「3次元モデル成果物作成要領」の適用を必須とすることで、BIM/CIM活用の実績を認めていくこととした。
ICT施工での活用に向けては、活用可能な設計3次元仕様の検討に入るとしている。
22年度以降は、一般土木、鋼橋上部工の大規模構造物全ての詳細設計・工事で原則適用する他、一般土木、鋼橋上部工以外(小規模除く)の全ての詳細設計でも原則適用。23年度から小規模を除くの全ての詳細設計・工事で原則適用する。
12〜20年度の累計実績は全1506件。業務934件、工事572件の内訳。単年度ごとの実績を見ると、19年度が361件で前年度比70・2%増、20年度が515件で42・6%増と、ここ2年大きく伸びている。
提供:建通新聞社