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2021/07/17

建設トップランナーフォーラム(1)

 新事業・複業化の推進や新技術の開発を通じ、地域の活性化に取り組む「建設トップランナー倶楽部」(米田雅子代表幹事)は、第15回建設トップランナーフォーラムを開いた。激甚化する災害が全国に深刻な被害をもたらす中、地域の守り手≠ナある建設業の存続が、地域の未来にも大きな影響を及ぼす。今回のフォーラムでは「地域の担い手をどう育てるか」をテーマとして、若手入職者の定着、多様な人材の育成、業種を越えた人材の確保に焦点を当てた。
※フォーラムは2021年6月25日に東京都内で開催、全国にオンライン配信された。

 フォーラムの冒頭、米田代表幹事は、人口減少が建設業と農業の深刻な人手不足を引き起こし、「建設業と農業の複業で地域を支えるニーズが増えるのではないか」との認識を示すとともに、「限りある人材を業種を越えてシェアする、農業と建設業の多能工化、林建協働、建設と介護の複業など、これまで建設トップランナー倶楽部が推進してきた複業が先駆的な意味を持つ」と強調した。
 来賓としてあいさつした赤羽一嘉国土交通相は、気候変動の影響で激甚化・頻発化する自然災害に対し「自らの被災を顧みず、真っ先に現場に駆け付け、24時間体制で懸命に復旧作業に当たっている」と、建設業が地域の守り手として災害復旧の最前線で活躍していることに感謝。「建設業界にとっての最優先課題である担い手の確保・育成を支援するため、技能労働者の処遇改善、働き方改革、生産性向上に取り組んでいく」との姿勢を示した。
 ビデオメッセージを送った野上浩太郎農林水産相は「将来的な担い手不足という共通の課題を持つ建設業と農林水産業がともに手を組んで発展するためには、業種の垣根を越えた人材のシェアなど、先進的な取り組みが課題解決の重要な柱になる」と述べ、建設トップランナー倶楽部の活動に期待を寄せた。
 元国交相の太田昭宏衆院議員も会場を訪れ、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化、老朽化対策を支えるのは現場を担う建設業」と述べ、「建設業の担い手は地域の担い手でもある」と、若手が建設業に入職する重要性を訴えた。同じく来賓の石破茂衆院議員は、「日本は21世紀に内需中心の地域分散型経済へと転換しなければならない」と展望。「そのためには地域に雇用をもたらす必要がある。農業、林業、漁協、建設業が持つ親和性をどう生かすかがカギになるのではないか」と問題提起した。

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 全国の建設専門紙20社が加盟する「地方建設専門紙の会」が第15回建設トップランナーフォーラムを取材しました。全10回にわたって連載します。
(地方建設専門紙の会)