勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)は、6月30日に開いた運営委員会・評議委員で2020年度の決算や業務実績報告をはじめ、今後の資産運用の在り方の見直しについて議決した。20年度決算では、株価の上昇に伴う運用収入の増加で財務状況が改善した。
建退共の資産運用は現在、運用委託先との契約を含め独自で行っている。合理的な資産運用の観点からこれを見直し、中小企業退職金共済事業本部(中退共)が管理する中退共・清退共・林退共の合同運用に建退共も加わる。11月をめどに資産配分など合同運用の具体的な内容を固め、22年4月から合同運用に移行する。
20年度決算では、中小関係で見ると、株価の上昇によって運用等収入が前年度比739・1%増の396億2700万円と過去最高に上り、利益剰余金が28・8%増の810億8200万円に増加するなど財務状況が改善した。
中小と大手を合わせた事業概況では、21年3月末の共済契約者は17万3538所(前年同期比1・1%増)、被共済者は216万9812人(0・0%増)。20年度の手帳更新は67万1688人(前年度比4・6%増)、掛金収納額は579億8100万円(2・9%増)といずれも増加。退職金の支払人数は5万4075人(4・9%減)、支払総額は500億0700万円(2・6%減)で、平均額は92万5000円(2・4%増)だった。
20度末の資産運用残高は前年同期比4・4%増の1兆0621億円となっている。
提供:建通新聞社