文部科学省は6月22日に開いた「新しい時代の学校施設検討部会」に、部会の中間報告(素案)を提示した。素案では、学校施設が脱炭素社会の実現に貢献する必要性が示され、年間のエネルギー消費量の収支をゼロにするZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を推進すると記載。具体的には、屋根・外壁の高断熱化、高効率照明などの省エネ化、太陽光発電の導入などをさらに進めるとした。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、政府は30年までに温室効果ガスを13年度比46%削減する目標を定めている。中間報告の素案では、国民の意識改革・行動変容を促すため、学校施設整備において、政府目標の達成に率先して取り組む必要があると強調。
学校施設のZEBに取り組む先導的なモデルを新築・増築・改築に加え、長寿命化改修にも展開する考えを示した。
長寿命化改修を通じ、教育環境の向上と老朽化対策を一体的に推進するとも記載。限られた予算で膨大な学校施設の安全性を確保するため、改築より工事費が安価で、廃棄物・CO2の排出量も少ない、長寿命化改修への転換を着実に進めるべきとした。
検討部会は7月に中間報告をまとめる予定だ。
提供:建通新聞社