日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、建設技能者の能力のレベル判定システムの受け付けを国土交通省が6月16日から停止したことに対して、切れ目のないレベル判定の実施と、システムの早急な再稼働を赤羽一嘉国交相に求めた。
同システムは、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者の能力について、保有資格などの技能や職歴に基づきレベル判定を実施していたもの。CCUSとは別システムで、2020年4月に稼働。国交省と、専門工事業団体で構成する建設技能者能力評価制度推進協議会が共同で運営してきた。
国交省は、CCUSの申請とレベル判定の申請の二重負担を解消し、「レベル判定手続きのCCUSへのワンストップ化」を目指すとし、6月16日にシステムを停止。当面、「各能力評価実施団体が判定の受け付けを行う方向で検討、団体の意向など踏まえ可能な範囲で順次実施する」とした。
今回の措置に関して日建連は「能力評価基準を設定している35職種のうち相当数の職種でレベル判定が中止され、レベル判定を継続する職種でも、レベル2〜4のカード(青、シルバー、ゴールド)の発行が中止される恐れがある」と懸念。レベルに応じた色付きカードが発行されなければ、CCUSの魅力や存在意義に影響するだけでなく、「CCUSの普及・定着を進めてきた日建連会員企業と専門工事会社との信頼関係に深刻な影響が生じる」と指摘。
「今後も切れ目なく、レベル判定およびレベルに応じた色のCCUSカードの発行を継続すること」と「早急なレベル判定システムの再稼働(ワンストップ化を含む)を図ること」を要望書として国交相に提出した。
提供:建通新聞社