国土交通省は、2050年を見据えた今後の国土づくりの方向性を示した「国土の長期展望」を公表した。目標は、「真の豊かさ」を実感できる国土づくり。デジタルを前提とした多彩な地域生活圏の形成や産業構造の転換、情報通信・交通ネットワークの充実・強化に取り組み、国土を再構築する必要があるとした。
多彩な地域生活圏の形成では、デジタル化の推進と現実(リアル)の充実を組み合わせた施策を地域ごとに実施することが重要とし、ビッグデータを活用した生活関連サービスの向上、移動・交通のシームレスな連携を進める。
産業構造の転換では、交流を促す都市(ウォーカブル都市など)の形成、デジタル分野、カーボンニュートラル・環境分野、バイオ・医療分野の育成を図る。別にリニア中央新幹線開業による都市圏間の時間・距離短縮効果を最大化するため、三大都市圏で結節機能強化、中間駅周辺では新たな産業立地を前提とした居住地活用などに取り組む。
情報通信・交通ネットワークの充実・強化では、ミッシングリングや暫定2車線区間を解消し地域間交通の充実を図る他、船舶大型化への対応(岸壁整備など)、空港の発着容量拡大を進めることが必要とした。
国土審議会計画推進部会の専門委員会で取りまとめたもので、長期展望を踏まえ、今後速やかに新たな国土計画の検討を開始すべきとも提言。「この機を逃さず、具体施策につながる実行性のある計画にすべき」とした。
提供:建通新聞社