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2021/06/17

CCUS登録者賃金 全技能者を4%上回る

 建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者の平均賃金が全建設技能者の平均賃金よりも4%程度高いことが分かった。CCUS登録技能者の間ではレベル4(登録基幹技能者)の平均賃金が、レベル1〜3(初級・中堅・職長級技能者)の平均賃金と比べ11%程度高かった。国土交通省が初めて調べた。
 国交省は、2020年10月の公共事業労務費調査でCCUS登録の有無を把握。その上で、▽登録技能者と全建設技能者の賃金実態▽登録技能者間の賃金実態▽登録技能者と未登録者の賃上げに関する状況―を調べた。
 登録技能者と全建設技能者の賃金比較では、全建設技能者の平均賃金を基準(100)とし、登録技能者の賃金比率を職種ごとに算出。全体の賃金比率は104・06となった。職種別(船員除く)にみると、多少ばらつきが見られたが、防水工が110・33と最も高く、以下、運転手(特殊)が105・85、ダクト工が104・97、土木一般世話役が104・91、左官が104・16で続いた=表参照。
 登録技能者間の賃金実態は、技能士等資格者を対象に、レベル1〜3の登録技能者の平均賃金を基準(100)として、レベル4と比較。登録基幹技能者の職種と関連がある17職種の平均賃金比率を算出した。全体の平均賃金比率は111・18となった。職種別(船員除く)ではダクト工が116・49、鉄筋工が115・76、型枠工が114・06で上位を占めた。
 賃上げの実態は、登録技能者の職長級、班長級、その他(一般技能者)の3区分を調査。職域の高い方がより賃上げした人数の割合が高くなっていた。未登録者と比べると全ての職階で賃上げした人数の割合が高かった。
 6月16日に国土交通省、建設業団体、学識者、地方関係団体による「建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会」で報告された。
 冒頭、国交省不動産・建設経済局の青木由行局長は、「今年はおおむね2%以上の賃金上昇を目指している。技能労働者の賃上げ、適正利潤の確保、さらなる賃上げといった好循環が必要」との考えを示した。その上で調査結果にも触れ「登録技能者の処遇改善が裏付けられたのではいか。賃金上昇の道筋が見えてきた」とした。

提供:建通新聞社