国土交通省は、歩切の恐れのある16市町村に対し、歩切をやめるよう働き掛け、対象となった16団体全てで歩切が廃止された。歩切は明確な違法行為であり、再び歩切が起こらないよう周知を徹底していく構えだ。
歩切は、適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除して予定価格とする行為で、品確法に違反する。総務省と連携して自治体に見直しを要請し、2016年4月に全ての自治体が歩切を廃止した。ところが今年2月、5年ぶりに実施した歩切の実態調査(悉皆調査)で、16団体で歩切を行っている恐れのあることが判明した。
これを受け同省は5月に対象団体の幹部に是正を促し、今後歩切を行わないことを確認するに至った。
実態調査は自治体全1788団体(47都道府県、20指定都市、1721市区町村)を対象に実施した。このうち「設計書金額と予定価格が同額」とした自治体が1672団体、「端数処理を行っている」自治体が100団体あり、残る16団体で「歩切を行っている恐れのある」ことが分かった。
働き掛けにより、「歩切を行っている恐れのある」団体はなくなり、「設計書金額と予定価格が同額」とする自治体が1681団体、「端数処理を行っている」自治体が107団体とそれぞれ増えた。
提供:建通新聞社