政府は、6月9日に開いた経済財政諮問会議に2022年度当初予算編成の指針となる「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)」の原案を提示した。原案では、社会資本整備のデジタル化と脱炭素化を図りつつ、生産性を向上させる「社会資本整備の改革」を進めると明記。『防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策』により、引き続き災害に屈しない国土づくりに取り組むことも記載した。
骨太の方針は、各省庁が概算要求をまとめる上で、政府全体の指針となる。原案では、新型コロナウイルス感染症の影響による経済の回復に最優先で取り組むとし、グリーン化、デジタル化、地方の所得向上、子ども・子育て支援に重点的に投資するとした。
社会資本整備についても、デジタル化と脱炭素化を目指す方針が示された。設計・施工・維持管理の自動化、AIの活用などを進めるとともに、中小建設業のICT施工の利活用環境を充実させる。災害対応力の強化や社会の生産性向上に向け、費用便益分析の客観性・透明性を向上させ、ストック効果の高い公共事業に重点的に投資する。
建設キャリアアップシステムや施工時期の平準化により、建設産業の担い手の育成・確保を図るとも明記している。
国土強靱化では、5か年対策に盛り込まれた流域治水を推進。気候変動の影響で激甚化・頻発化する自然災害への対策として、河川堤防、ダム、下水道などの整備、土地利用規制を含めたまちづくりなどを進める。
提供:建通新聞社