建設アスベストの被害者に給付金を支給するための議員立法が、6月9日の参院本会議で可決、成立した。建設アスベストの健康被害に対する国の賠償責任を認めた最高裁判決を受け、未提訴の被害者に最高1300万円の給付金を支給できるようにする。
給付金の対象は、国内の土木・建築・解体工事などに従事し、アスベストによって中皮腫や肺がんなどの健康被害を受けた被害者や遺族。最高裁判決のあった5月17日時点で未提訴の被害者に対し、国の和解金と同額の給付金を支払う。給付金額は疾病の病態に応じ、550万〜1300万円とする。
議員立法の「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」として2022年3月31日までに施行する。厚労省が労働者健康安全機構に基金を設置して給付金を支払う。給付金の総額として約4000億円を見込んでいる。
提供:建通新聞社