国土交通省は、マンション建替円滑化法に基づく基準の改正で、新たに定める外壁の劣化状況や火災の安全性など四つの基準について、それぞれの調査者の資格要件案をまとめた。外壁の劣化状況を調べる場合、1・2級建築士などの資格が必要になる。
国交省では、2020年6月改正の「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」で拡充されたマンション除却の必要性に係る新たな認定基準を有識者と検討している。従来、マンションの老朽化の見極めは、耐震性が不足しているかどうかの一つの基準だけで除却の必要性を判断していた。改正法では、耐震性に加え、▽火災に対する安全性▽外壁などの剥落▽配管設備の腐食▽バリアフリー化の状況―の四つの基準を新たに定めた。これに伴い、それぞれの調査者の資格要件を設ける。
資格要件案は6月7日の要除却認定基準に関する検討会(第2回)で提示された。要除却認定基準の改正案は資格要件案とともに今後パブリックコメントを行った上で最終案を固め、12月下旬の改正基準の施行を目指すことになる。
各調査資格は次の通り(かっこ内は調査内容)。
▽外壁など剥落(外壁の劣化状況調査)=1・2級建築士、建築物調査員資格者証の交付を受けている者、同等以上の知識・経験を有すると認められる者
▽配管設備腐食など(排水管の腐食などによる漏水調査)=1・2級建築士、建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者、同等以上の知識・経験を有すると認められる者
▽火災の安全性(建築基準法令への適合性の確認)=建築基準適合判定資格者、建物の構造・規模に応じた建築士資格、同等以上の知識・経験を有すると認められる者
▽バリアフリー(バリアフリー法令への適合性の確認)=同
提供:建通新聞社